『誘発地震―正邪の人災』 (文芸社刊 定価1400円+税)11月15日発売 「皆さんは『誘発地震』という言葉をご存知でしょうか? この近未来サスペンスは、福岡市沖の玄界灘で、漁に出た親子が、正体不明の人骨を引き揚げる場面から始まる。見つかった北朝鮮のバッジから、人骨は工作員のものらしい。そして意外な方向へ物語は進み、読者をいつの間にか巨大な陰謀の世界へ引き込んでいく。富と正義のせめぎ合い。文明への痛烈な批判・・・。年末、年始は、初詣や騒々しいTV番組を離れて、読書三昧で過ごしてみてはいかがでしょうか? とにかく面白い書です。以下は、同期生の感想です。少し長くなりますが、ご一読ください。 <外語・同期生からの推薦の言葉> ▲東北文化学園大学名誉教授(アジア経済)山崎恭平氏(外語ウルドウー語1966年卒) 3.11東日本大震災の恐怖を直に体験した仙台在住の私は、本書を読んでから『誘発地震』が発生する可能性を想定できるようになった。地震は自然災害だけでなく、本書で指摘しているように大量の地下水くみ上げや地下資源の乱開発等の人工災害でも起こるであろう。そして、その危険性を逆手にとって巨利を目論む国際資本が登場して謀略や陰謀を繰り広げ、国際サスペンス小説としての面白さに加えて近未来小説のテーマの問題意識もある。500ページ近い長編が読み出すと一気に引き込まれるのは、外語卒業後新聞記者として世界を相手に磨いてきた洞察力と知見にあふれ、小気味良い文章力と構想力だ。 ▲桜美林大学名誉教授(米国経済)瀧井光夫氏(外語ウルドゥー語1967卒) 数年前に本人から小説を書いていると聞いたが、まったく音沙汰がなかった。諦めたかと半分思っていたが、何とも素晴らしい作品が完成した。面白いだけではない。「誘発地震」が根拠のない話ではないことを知って恐怖も感じる。物語は福岡から東京、サンフランシスコ、ブエノスアイレス、ドバイ、マンハイムと世界大に展開する。新聞記者と編集者としての長い経験からか、人間の描写にも科学的な説明にも舌を巻く。温厚な著者の外見からは伺い知れない筆力。これは、決して著者のいう「妄想」の物語ではない。より多くの人に読んでほしい傑作である。 ▲元国士舘大学大学院客員教授、元駒沢女子大学教授(国際政治) 渡邉光一(外語ヒンディー語 1966卒) インダス会会長、東京外語会副理事長 F・フォーサイスを髣髴とさせる構成と筆致。アガサ・クリスティばりの緻密な展開。卒業後、西日本新聞記者として活躍した筆者が、ソウル特派員などの海外経験や幅広い科学知識を駆使して取り組んだ処女作である。物語のテーマは、地球の富を牛耳る超富豪たちの陰謀である。彼らは今世紀、ついに国家体制の崩壊を狙い、福岡サミット開催を阻止しようと策略をめぐらす。グローバル化のなかの国家のあり方、貧富の格差拡大など、我々が今直面する大きなテーマを直視しながら、大団円に近づく。著者の分身と思われる主人公は、はたして孤高の戦いに勝利するのか?結論は読んでからだ! 以上
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