土井先生のひと言で… 渡辺 一弘 1977年(昭和52年)H卒 土井久彌先生の生誕の年一九一六年は、タゴールが初来日した年でもある。その三年前にアジア人として初めてノーベル文学賞を受賞し、日本でも大きな注目と人気を集めていたベンガルのこの文学者が神戸港に到着したのは五月二九日。先生がこの世に生を享けられた日から一一日後のことだった。 などと知ったようなことを書いたが、一九七三年に大学に入学した当時の私は、タゴールの名さえ知らなかった。タゴールどころか、南アジアの事情についての知識は皆無であった。(中略) 入学して初めてのクラスが土井先生の授業だったと思う。先生はスーツに身を包み、いかにも栄養が足りていそうなつやつやとした顔色をされた方だった。 短いお話しの後で、黒板に面妖な文字を書かれた。物干し竿に洗濯物がぶら下がっているみたいだな、というのがデーヴァナーガリー文字を見たときの第一印象だった。 それから有気音についての説明があった。息が出る音と出ない音で意味の違いが生じるという話はとても新鮮に思えた。 「日本語や英語ではね」と先生は言われた。「hのあるなしは意味に影響しないんだよ」。何だか未知の世界に足を踏み入れた気がして、ワクワクした。 (以下は会報24号をお読みください)
エンタメ小説への挑戦 山崎隆治 1966年(昭和41年)U卒 「誘発地震―正邪の人災」という本が昨秋、文芸社から発刊された。福岡を舞台とした国際サスペンス小説であるが、多分、ご存じの方はいないと思う。 いや、いる! それはうれしい限りである。何しろ老い先短い無名の熟年男が生まれて初めて出版した小説だからだ。 何で今頃執筆か、とよく聞かれる。その辺のいきさつを知りたいと。長寿社会を楽しむ事例として取り上げたいらしい。それはインダス会からの要請であった。 「せっかくの労作だから」「宣伝にもなるよ」「四〇〇〇字から五〇〇〇字」そんなメールを目にしながら二つ返事でOKした。実は出来立ての拙著を会長はじめ同期の会員数人に見せていた。 感想をいただき、ウェブサイトで身に余るお褒めの紹介文を掲載していただいた。二つ返事はそれへの恩義でもあるのだが、少しでもPRできれば、との下心があったのはいうまでもない。 本は売れないのが相場である。出版界は、かつて勤めていた新聞界と同様、しかめっ面が続いている。 (以下は会報24号に掲載)
「会報発行」と「会費納入のお願い」 東京外国語大学ヒンディー語、ウルドゥー語、ベンガル語の卒業生の皆さまにおかれましては、ご清祥のことと拝察いたします。さてインダス会では、今年の会報24号を近く刊行する見通しとなりました。 同号には、80歳代から40歳代までの同窓生30名余りからの、興味深い原稿が寄せられ、卒業生の歩んだ多彩な人生航路がうかがえます。 担当者からの無理なお願いにもかかわらず、ご多忙の合間をぬって執筆された皆様の熱意に、改めて厚く御礼を申し上げます。 ★ 24号会報の主な項目・内容(目次の順とは異なります) ① インド留学を支援する画期的な奨学金制度を創設(研究室+インダス会) ② 土井久彌先生・生誕100年の記念特集 ③ インドに駐在する方々からの「ユニークなインド便り」、地方在住の方からの寄稿、 ④ 諸先生による活動報告(大学研究室の現況など)、 ⑤ 震災から5年が経過した被災地からの報告、 ⑥ 昨年他界された橋岡氏への追悼、など。 ~会報の注文と会費納入の方法~ ◆郵便振替:(郵便局から) 口座番号 00140-0-358273 加入者名 インダス会 ◆銀行振込 三菱東京UFJ銀行 新宿中央支店(店番 469) 普通口座: 3145856 (トウキョウガイコクゴダイガク インダスカイ) ▲会報の購読は注文制です。卒業生の皆様からの注文(会費納入)に基づき、発行部数を確定した上で、印刷しております。 すでに登録済みの会員の皆様には、封書によるご案内を郵送いたしましたので、同封の返信はがきに、郵送先の住所、氏名、卒業年次(語科H,U、B)をご記入の上、できるだけ早期に返送をお願いいたします。 ▲会員への封書について、8月25日の時点で、まだ受け取っていない方々は、インダス会への登録が済んでいないか、転居などにより住所が不明になっている方々です。 これらの方々のうち、メールを送信できる方は、インダス会事務局のアドレス宛(indusoffice@yahoo.co.jp )に、「封書未到着」の旨、ご連絡をお待ちしております。よろしくおねがいいたします。 ▲(ご注意)従来からの会員のうち、60歳以上で、「生涯会員」として登録された方々については、ことし1月の時点で「生涯会員制度を廃止」いたしました。ご了承ください。詳しいことは、ブログに掲載いたしましたので、ご一読ください。 ▲ご意見、ご要望、質問については、遠慮なくインダス会事務局のアドレスにご連絡ください。(indusoffice@yahoo.co.jp ) 以上 2016年8月15日